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運命の選択を

 “あなたは!今!運命を選ぼうと――ッ”
運命の選択を迫るニャル子

 ある日曜の朝。
 いつものようにニャル子たちがリビングのテレビにかじりついて、特撮ヒーローものやアニメを堪能しているのを横目に、真尋は小説を片手に食後のコーヒーを楽しんでいた。
 妄想が大事とか、理由のない悪意とか、友達ができないとか、今テレビの前に座っている銀髪の少女のことを言っているのかと疑いたくなるような言葉が番組からちらほらと聞こえてきたが、全て無視した。関わると火が付いたようにテンションの高いニャル子に絡まれるからだ。
 程なくしてテレビからの賑々しい音声が途絶える。
「……?」
 真尋は違和感に顔を上げた。いつもなら放送終了後には、番組の内容についてやかましく語る声が聞こえてくるはずなのだが。
 顔を上げた真尋の眼前に影がかかったかと思うや、視界がピンク一色に塗りつぶされた。
「うわっ!?」
 迫り来るピンクの物体に思わず顔をかばうと、ボフッと柔らかい感触がぶつかった。ぐいぐいと押し付けられるそれの表面には「YES」の文字。これは、あれだ。いわゆるイエス・ノー枕。となると犯人は――
「ニャル子!」
 真尋は、自分の顔面に枕を押し付けてくるニャル子に向かって、抗議の意味を込めて叫んだ。
 だが、ニャル子は意に介さず真剣な顔で、枕を――彼女の意志を、自分の体ごと押し付けてくる。
「真尋さん! あなたは今、運命を選ぼうとしていますッ!」
「はぁ!?」
 疑問は無視された。
「真尋さん! あなたは! 今! 運命を選ぼうと――ッ」
「選ぶってなんだよどんな運命だよ!」
「私と赤ちゃんつくりましょう! これが選ばれた運命なんですー!」
「押し付けてるだけだろ! 選択肢はないのか!」
 ニャル子の体温と、声が近い。真尋の吐く息が枕にぶつかる。息を吸うと、ほのかなシャンプーのような香りがする。これはあれか、もしやニャル子の。そこまで考えてしまった真尋は、思考を断ち切った。天気の良い朝っぱらから精神衛生上よろしくないことを考えてどうする。
 埒が明かない、と真尋は片手でニャル子の突進を抑えつつ、手近な机に置いていたフォークに手を伸ばす。と、気配を察知したのか、ニャル子が頬をひきつらせ、ずざっと後退した。
「ったく」
 ちらつかせれば逃げるだろうと見当をつけ、別にフォークを突き立てるつもりもなかった真尋は、息を吐いてニャル子を見据えた。わずかに顔が火照っているのは、単に息苦しかったからだろう。ということにする。ニャル子は頬をかきつつ、若干視線を泳がせている。
「で? 何だったんだ今のは?」
「ええと……真尋さんに選択を迫っておりました」
「確かに迫ってたけどな。あれのどこが選択なんだよ」
「地球では選択肢も説明も与えずに選択を迫ると聞きましたので……」
「どこの誰がだよ。それはただの強要だ」
 さてはさっきの番組の何かに影響を受けたか。いや、影響を受けたというより曲解して都合の良い言い訳にした、という方が正しいだろうが。
「お前はほんっとに余計な知識ばかり身につけるな」
「いやぁ」
「褒めてないぞ。少しは反省しろ」
 照れたように頭を掻くニャル子に釘を刺す。
 と、ニャル子の背後から当然の如く、ニャル子とイチャつくのは許さない、と顔に描いたクー子が迫っていた。オロオロとシャンタッ君を抱いてついてくるハス太の姿もある。いつも通りの、いつも通りになってしまった光景だ。
 さて、今日もまた騒がしい休日になりそうだ。と、クー子に背後から抱きつかれて奇声を上げるニャル子を見つつ、真尋は嘆息するのであった。
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tag : 這いよれ!ニャル子さん

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